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保険のランキング雑誌の選び方

別冊宝島の『よい保険・悪い保険(2018年版)』が発売されました。
例年同誌の保険商品のランキング評価に携わらせていただいており、今回も「超辛口!生命保険ジャンル別ランキング」のコーナーで、19名の評価者(FP)の一人として生命保険商品のランク付けを行いました。

インターネット専業保険会社の商品が年々充実

今回ランク付けをしながら感じたことは、インターネット専業生命保険会社(以下、ネット生保)の商品が年々良くなってきていることです。
とくに就業不能保険の分野で1位になったライフネット生命の「働く人への保険2」は、保障内容の充実度、55歳から70歳まで選ぶことができる保障期間の自由度、保険料水準などを考えれば、他の保険会社はもう見なくてもいいと思うくらいです。
これからますますネットで保険に加入する方が増えてくることが期待されます。

また、超低金利の環境の中、標準利率改定の影響もあり、貯蓄性の保険はどれも全く魅力がありません。
政府・日銀が2%のインフレターゲットを設定していることを考慮すれば、「もはや保険でお金を殖やそう(貯めよう)とするのはナンセンス」としか言いようがありません。
たとえ100%を超える戻り率があったとしても、利回りがインフレ率よりも低ければ、実質的な資産価値は下がっていってしまいますからね。

広告主からの圧力が入ることも

さて、今回のような保険のランキング雑誌ですが、消費者に加えて、業界関係者が購入するケースも多く、ある程度の発行部数が期待できるため常に書店やコンビニエンスストアなどに置かれています。
そのため手に取って見られたり、実際に購入をされたりしたことがある方も多いのではないでしょうか?

しかし、この保険ランキング雑誌には注意も必要です。
それは今回の別冊宝島のように「広告一切なし」をポリシーにしているものはあまり気にしないでいいのですが、保険会社や保険代理店などの広告が入っている雑誌は、たとえFPなどのプロによる比較を謳っていても、広告主との関係で多少の調整が入っていることがあるためです。
調整というよりも、2017年の流行語対象に選ばれた「忖度」とでも言ったほうがいいかもしれませんね。

10年程度前のことになりますが、ある雑誌で「将来的なインフレを考えれば、終身保険は変額タイプを選び、特別勘定には株式を組み込んで」という内容の原稿案を送ったら、広告主が「うちは変額保険の扱いが無いので」と言ってきたそうで、出版社から内容変更の依頼が入った経験があります。
その雑誌とのお付き合いは、そのとき以降遠慮させていただきましたが、実際雑誌を作る裏側ではそのような圧力がかかることがあるのです。

販売手数料が高い商品が上位評価されてしまう裏事情

また、もっと良くないと思われるのが、保険代理店やFP・保険募集人から数万円~10万円以上の広告料を取って、その方々がランキング評価を行っている雑誌です。
昨年ですが私の事務所にも勧誘目的で資料が送られてきました。
雑誌を見れば保険代理店やFP・保険募集人がたくさんズラリと並んだページがありますので、おそらく見ればわかるでしょう。

広告料を支払ってまでそのようなランキング雑誌に掲載されたがる方々は、それをメディア実績として顧客にアピールして、保険のセールスにつなげようとするバリバリのセールスパーソンが多いです。
そのこと自体はけっして悪いことではありませんが、そのような方々ばかりが揃って評価をするので、コミッション(販売手数料)が高い、販売側に人気がある保険商品が上位に評価される傾向が顕著です。
その一方で、セールスパーソンが扱うことができないネット生保の商品が驚くほど低く評価されていたりします。

出版側としては雑誌そのものの売上に加えて、保険代理店やFP・保険募集人等からの広告料が入りますから、それはそれでいいビジネスになっているかもしれませんが、ある程度公正な評価を行おうとするなら、やはり評価者の属性が偏らないようにすることは大切ではないでしょうか。

迷った時は広告が入っていないものを参考に

保険のランキング雑誌に限ったことではありませんが、このようにメディア側もさまざまな事情があるため、その内容をそのまま信じてしまわないように読者側も賢くならなくてはいけません。

できれば真実を見抜く、裏事情がある可能性を理解する、そのような視点を持った上で、保険ランキング雑誌を保険選びの参考に使って頂きたいと思います。
もちろんこれは雑誌だけでなく、WEBのランキング評価でも同じです。

どうしても迷った時は、広告が一切入っていないものを参考にしたほうがいいかもしれませんよ。

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老後のお金の不安解消アドバイザー(ファイナンシャルプランナー) 愛知県名古屋市生まれ 福岡県春日市在住 老後のお金の不安を解消する、ライフプランと資産運用&資産管理の専門家 「90歳まで安心のライフプラン」を合言葉にして、豊かな人生の実現に向けたライフプラン作りの支援を行っている。 独立から約15年にわたり相談業務を中心に実務派ファイナンシャルプランナーとして活動する傍ら、ライフプランや資産運用などのお金のことについて年間100回近い講演や、マネー雑誌やコラム等の原稿執筆を行うなど幅広く活動をしている。
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